ヒロインの杏（写真：夕刊フジ）

　【ＴＶ視てますか？】まもなく師走を迎えるけど、９月３０日に始まったＮＨＫ連続テレビ小説「ごちそうさん」。もう２カ月にならんとしているのに、このコラムで一度も触れていない。

　いまだに書く気が起きないのだ。

　先週、ノミネートが発表された今年の「新語・流行語大賞」のなかに、“じぇじぇじぇ”に加えて“あまロス”が選ばれていた。

　「ごちそうさん」のことを１行も書く気が起こらないのは、われながら“あまロス”症状と言わざるをえない。

　別に、ヒロインの杏が嫌いというわけでは決してない。能年玲奈が格別に好きだったというわけでもない。

　おそらく、思った以上に“宮藤官九郎の描く朝ドラ世界”が自分にピタリだったということなのだろう。

　９月にＴＢＳが再放送してくれたクドカン作の連ドラ「タイガー＆ドラゴン」を見直して、これを朝ドラとして発展的に展開したのが「あまちゃん」だったことに改めて気付いた。とにかく、オヤジにとってこんな面白いドラマ世界はない。

　この２カ月、視聴率では「ごちそうさん」のほうが高かった。そうなんだろう。王道そのものだもんね。でも、そんなことはもはやどうでもいい。王道の朝ドラを見て“ごちそうさん”とはいえないカラダになってしまったのだ。

　どうすりゃイイんだろう。

　同じメーカーの車のＣＭに杏と渡辺謙がそれぞれ出ている。ならば、朝ドラ父娘共演はどうか。それならテレビの前で座り直せるかも。

　ま、大阪編になり、名優のキムラ緑子と近藤正臣が登場してから、少しは見る楽しみが出てきた。そんじょそこらの俳優とは年季が違う。

　あとは、料理場面が見どころなんだろうけど、それはマチャアキの「新チューボーですよ！」にかなうわけないし…。（新橋のネクタイ巻き）