芸能界ではブーム／（Ｃ）日刊ゲンダイ

　最近、髪を明るい茶色にカラーリングしない女性が増えている。

　ＡＫＢ４８の大島優子がドラマ出演のために髪を黒く染めて話題になったが、そういえば、ＡＫＢ４８はもともと黒髪が多い。総選挙で１位になった指原莉乃も、３位の渡辺麻友もそうだ（大島は２位）。セクシータレントの壇蜜も長い黒髪がトレードマークだし、人気女優の竹内結子や石原さとみも黒髪のイメージが強い。ふわふわの茶髪がトレードマークだったモデルの“エビちゃん”こと蛯原友里も、髪を黒に染めてイメージチェンジした。

　若い女性は茶髪が主流だとばかり思っていたが、今は黒髪がはやっているのか？女性の流行に詳しい作家の三浦天紗子氏が解説する。

「黒髪はジワジワとブームになっています。ここ数年で、アジア的な美しさがクローズアップされるようになり、資生堂の『ＴＳＵＢＡＫＩ』や花王の『アジエンス』など、“アジアンビューティー”を売りにしたヘアケア製品が増えています。黒髪は外国人にも受けがいい。ファッションの変化もあります。顔の周りの“額縁”にあたる髪が黒いと、目が大きく、小顔に見える効果がある。決して不況でヘアカラー代をケチっているわけではなく、若い女性は、わざわざ黒く染めているのです。オシャレで染めている黒髪は、少しピンクが入っていたり、青みがかっていたり、地色の真っ黒ではないのが特徴です」

＜あえて黒く染めるオンナは戦略的＞

　面白いことに、茶髪にするのも、あえて黒く染めている女性も、心理学的に見ると、ほとんど変わらないという。

「基本は変身願望と自己主張です。憧れのスタイルに近づけ、集団の中で美しく目立つために、茶髪にカラーリングをする。そうして茶髪の人が増えてくると、今度は逆に黒髪の方が目立ちます。ただ、茶髪の女性が『同年代にだけ人気があればいい』と割り切っているのに対し、あえて黒髪に染めた人は戦略的ですね。年上の男性に好まれることをちゃんと分かっていて、日本女性の魅力をうまく強調するしたたかさがある。まったく手を加えないままの黒髪にしている人は、保守的で安定を求めるタイプですが、自分の本当の欲望を隠している可能性もあります」（心理学博士・鈴木丈織氏）

　黒髪はちょっとキケンな香りがする……。