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Channel: ファッション雑誌の表紙を斬る!! そしてプチプラも斬る!!
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SPAが生まれた経緯②

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前回は戦後から、2000年代初頭までの解説をしてきました。今日は2000年から。
2000年代になると、デフレが進行した。

マクドナルドのハンバーガーが65円になったり、牛丼が250円になったりした。
バブルの時代に高級車がバンバン売れていた車も、軽自動車やミニバンが躍進したし。

小売の価格がどんどん落ちて行ったわね~

アパレルも例外では無かった。
アパレル業界で台頭したのが大きな差(ぎゃっぷ)や国売ろをはじめとするSPA業態。

SPAとセレクトショップやオンリーショップ等の仕入れて販売する業態の大きな差は利益率の違い。
SPAの経常利益率は20%を超える会社もあるのに対して、セレクトショップ業態では5%くらいって事もある。
大雑把に言うと1000万売れたら残るお金が200万に対して、セレクトショップ業態は50万。

バブル前後は利益率の低い、仕入れのみで販売する業態でも単価も高かったし、客数も多かったからお店を運営する事ができた。

しかし、デフレが進行すると商品の単価がどんどん落ちて行った。
ONMが入社したばかりの頃は、履物を買う時の予算は1万円!って言う人が多かったけど、今では4000円くらいをラインで買いに来る人が多い。
単価が下がると、売上も下がる。売上を下げないためにセールをかます。
そうすると、、、

利益率が低いから、利益が減少する!


その上どんどん商業施設が増えたから、一店舗あたりの売上も減った。売上が下がると、利益の額も減ってしまった。
しかも、SPAってセールかましても利益が出るからどんどん値下げを仕掛けて来る。
この利益率の差で、セレクトショップやオンリーショップが駆逐されて行った。
今は大手セレクトショップもオリジナル商品を作って、利益の高いPB(プライベートブランド)の比率を高めている。

個人的な感覚だけど、この頃からどういうファッションがイイか?って事よりもどれだけ安く買えたか?
どれだけ良い商品をお得に買えたか?っていう風にお客様の視点がシフトして行ったと思う。

ま、その後2005年のITバブル前後にはまた盛り上がったけど、リーマンショックが来て瀕死になって、民主党が政権を取ってトドメになった。
益々給料が減ってお金を使わなくなった。
で、海外のHIROSHI&MAYUMIや皿゛、永遠の21ファストファッションが台頭して来た。

この後以降、小さなセレクトショップがかなり減ったと思う。

今、流峯とか異音とか行ってもらうとわかるけどファッションビルやモールは半分以上がSPA業態で大手。
家賃が高いから、オリジナルの商品が無いと相当苦しい。

SPAが増えるって事は、デザインに特化したブランドの活躍の場が減るって事。
デザイナーズブランドやセレクトショップが仕込みから調理までキチンとしたフレンチやイタリアンだとしたら、SPA業態って飲食店に例えるとファミレス。

ファミレスだけで食事して、グルメ(おしゃれ)か?と聞かれれば、、、

グルメ(おしゃれ)ではない!
ファミレスを否定するわけじゃない。ただ普段の食事だったらいいけど、大事なデートや誕生日や結婚記念日とかのイベントがファミレスだったら???
修行して来たシェフのお店が減って、ファミレスだけになってしまったらそれはそれは貧しい食生活になるわね~

デフレと不景気がこのSPA業態を増やしてしまった。
もし世の中がSPA業態だけになってしまったら、新しい物が生み出されなくなってしまう。
新しい物を生み出すには時間とコストがかかる。なので、ハイブランドや売れているブランドを真似をする。
ファミレスのメニューに目新しい物が無くて、その時話題や人気のメニューが多いのと一緒ね。

まあ、今はアベノミクスで景気が回復傾向で円安に振れているから、この傾向も改善されて来ると思うけど、、、

やっぱり景気が良くならないと、良い物は生まれて来ない。

日本のために、ファッション業界のために頑張って、安倍さん!





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