容疑者宅から押収された偽物のニューバランススニーカー「５７４」

　警視庁板橋署は１０日までに、人気スポーツブランド「ニューバランス」の偽物のスニーカーを販売目的で所持したとする商標法違反の疑いで神戸市長田区の無職・的場一真容疑者（３１）を逮捕した。中国から大量に仕入れ、インターネットオークションで昨年１～１０月に約８００万円もの収益を上げたとみられる。自宅からは在庫分とみられる４３３足の偽ニューバランスが発見された。

モデルはすべて梨花お気に入り　クラシカルな「Ｎ」マークのデザインで知られ、幅広い世代が愛用しているニューバランスのスニーカー。今回、人気モデルの偽物を販売したとみられる男が警視庁に逮捕された。

　板橋署によると、的場容疑者の逮捕容疑は今月８日、偽物のスニーカー１足を販売するために自宅で所持し、商標権を侵害した疑い。同署員が容疑者宅を捜索した際、４３３足ものスニーカーが発見された。現行犯逮捕された容疑者は、当初「間違いありません」と容疑を認めたが、その後は黙秘している。

　見つかったのは、すべて人気のランニング用スニーカー「５７４」（定価８９００円）。ブラック、グレー、ネイビーの３色で、それぞれ２４・０、２４・５、２５・０センチの女性用サイズだった。板橋署によると、ファッションリーダーとして女性たちから支持を集める人気モデル・梨花（４１）の愛用品として知られるタイプで、ここ数年は梨花が雑誌やブログなどで紹介したことを受け、品切れ店舗が相次いでいた。

　品薄になっているにもかかわらず、オークションサイト「ヤフオク！」に大量出品されているのをサイバーパトロール中の板橋署員が発見。不審に思い、１足を落札した。送られてきた実物を日本法人「ニューバランスジャパン」で鑑定してもらったところ、すぐに偽物であることが判明。本格捜査を開始した。

　的場容疑者は第三者にオークション出品を依頼し、売り上げを口座に振り込ませていた。出品時は「芸能人着用」「海外正規品」などとうたって販売。人気モデルのためプレミアが付き、落札額は６０００～１万円と高額に。昨年１～１０月に約８００万円の収益を上げた。単純計算で約１０００足もの偽物が落札されたことになる。

　ニューバランスジャパンの担当者は「捜査中の事件につき、コメントは差し控えさせていただきます」としている。