Ｃ大阪戦へ向け最終調整で汗を流した仙台の柳沢（中央、右は富田）

　Ｊ１ベガルタ仙台は２２日、ユアスタで１７位のＣ大阪を迎え撃つ（午後５時開始）。１８位でＪ２降格が決定した徳島以外に２チームが降格するが、１３位の甲府（勝ち点３６）から１７位のＣ大阪（同３０）まで勝ち点６差に５チームがひしめくサバイバル戦。同３４で１４位の仙台にとっては、絶対に負けられない一戦だ。前節・Ｇ大阪戦で殊勲の同点弾を挙げたＦＷ柳沢敦（３７）は２１日、ホームでの勝利へ揺るがぬ決意を示した。

　前を見つめる両目に、力がみなぎっていた。残留争いの直接対決へ、柳沢が静かに闘志を燃やした。「状況が状況だし、難しい試合になると思う。ホームの力を十分に生かしながら戦いたい」。Ｃ大阪は、負ければＪ２降格が決まる可能性もある。激戦必至の大一番で、勝ちきる決意を示した。

　準備は万端だ。今月上旬、風邪による体調不良で練習を休んだこともあったが「大丈夫」と言い切った。この日は全メニューを消化。紅白戦ではボールを保有しているチームに入る“フリーマン”として両軍にボールを供給し、そつのない動きを見せた。

　前節のＧ大阪戦では後半ロスタイムに、左足で千金の同点弾。１１年から加入した仙台では、ゴールを決めた試合で負けなし（６戦５勝１分け）だ。“持っている男”なのは間違いない。「Ｇ大阪戦で執念を感じたが？」と問われると「常にそういう気持ちは持っている。試合の中でどう表現するかが大事」。表現方法の一つであるゴールへ、気合をみなぎらせた。

　Ｃ大阪戦もメンバー入りが濃厚だ。途中出場となりそうだが、渡辺晋監督（４１）は「普段から何一つ手を抜かずにやっていることが結果に出るという点を示してくれた。姿勢だけで十二分にチームを引っ張っている」と絶大な信頼感を示した。負けは許されない。チームの底力が試される戦いで、３７歳が真価を発揮する。（高橋　宏磁）